FISHING TRIP 2015/5/25

春はあっという間に終わってしまう。

夏になってしまう前に、もう一度だけ釣りに行きたかった。

今シーズン２回目の釣りは、夕まずめのみの短期戦。

ヒックリージョーをハングの中に投げ入れる。

その瞬間、森の中から美しい牝鹿が現れた。

あまりの美しさに、釣りをしていることを忘れて見惚れてしまう。

激しいバイトがあったが対応が遅れた。

逃した魚は大きい。

ヒックリージョーが虚しく水面に浮いていた。

結果は、それを招くに至った過程ほど重要ではなく、獲物を仕留めれなかったことは問題ではない。

集中していなかったことが問題なのだ。

打ちひしがれる俺を見て、美しい牝鹿は首を傾げて、森の中へ消えて行った。

ここには、知恵と勇気を兼ね備えたアイツがいる。

初めて訪れた時から、ブロンズバックの気配を感じていた。

そして、その出会いは突然やってきた。

充分パワーがあるはずのボロンのロッドがバットからへし曲がる。

今までの相手とは一味違う力を感じる。

ドラグを締めて、気も引き締める。

圧巻のラストシーン。

今シーズン初の５０オーバー。

人は成功からは多くを学ばない。

失敗のみが道を照らし、進むべき道を示してくれる。

自然に感謝。